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「なんてことだ!バスが……」
「横転してしまってますよ!」
大惨事だ。
バスが車道を大きく外れ、岩肌に激突し、横たわっている。ガラスは割れてバスの車内外に四散している。
「バスに、生存者はおるんだろうか?」
運転手が駆け寄る。
「困った。これではドアは開かんぞ」
事故の衝撃でドアが歪み、入ることも出ることも出来なくなっている
「割れたフロントガラスの間から入ってみます!」
「やめておいたほうがいい。ケガをするぞ」
あイテぇ!……手のひらをガラスで切ってしまった。
「アイテテ……血が」
「言わんこっちゃないだろう。何か持ってないのか?」
「何か……あ、そうだ!電話!警察に電話を!」
「おぉ、動転していて肝心なことを忘れていた。早く警察に」
運転手は携帯を取り出した。時刻は、午後2時ちょうど。
その時だった。
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