怨念村～第二部～

昔話

小学生の頃の僕はよく、休みにじいちゃんの家に泊まりに行った。

その時に、じいちゃんが色々な昔話をしてくれた記憶が有る。
江戸時代の幽霊の話とか、平家の落武者の話とか、そんなのばっかりだったけど、僕はじいちゃんの話が好きで、今でもかなり覚えている。

特に記憶に鮮明なのが、じいちゃんが亡くなる前に最後に聞いた、一揆を起こした農民の話だ。
２年の夏休みにその話を聞いて、一月ほどしてからじいちゃんが倒れたという知らせを受けた。

本当に悲しかった。

今でも寂しいけど、じいちゃんのお墓とかを掃除するのは一夕村のお寺の人に任せてしまっている。それでは気の毒なので、そのお寺に行き、じいちゃんのお墓を綺麗にして……それから……それから……？

……実は、あまり目的を作らずに小旅行に来てしまっていた。ただ、最近やけに一夕村のことが気になっていたので、気分転換にでもなればと思って出掛けたんだ。