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…起きて…
…早く、起きて…
(…誰?)
……闇が迫っています…
(……闇…?)
起きて!!!!!!!
(君は…一体誰なんだ…?)
私は……
「…ドウェン様!!……て下さい!!!!リドウェン様!!!!」
「…んっ…デュ…ラン?…おはよう。」
まだ眠気が覚めきっていないのか、意識を朦朧とさせた蒼髪の少年が、豪奢な飾りつけが施されたベットの上にいた。
夢の世界で目覚める事を促され、そして現世でもまた同様にして、それを要求された少年の傍らには、黄金色を帯びた毛髪、澄んだ蒼い瞳を持った青年が呆れ顔で立っている。
「おはよう、などと悠長な事を申している場合ではありません…。ディース様が遠征軍を率いてご出陣されます。」
「えっ…何だって!?…分かった、直ぐに準備して行くよ!!」
「くれぐれもお早く…リドウェン様…。」
そう一言、忠告にも似た言葉を言い残し、金髪の青年デュランは部屋を後にする。
部屋は人一人が使うにはあまりにも広く、この部屋の主であるリドウェンのベットから出口までは、何度も歩を進ませなければならない。
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