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「なぁ、なぁ南(みなみ)って!!」
「なんだよ、タケ」
2時間目が終わった頃
中学から一緒の竹内(たけうち)がしつこくノートを貸せとさわいでいる
「頼むって!!南君!!」
「気持ち悪いよ、お前にノート貸したら俺が勉強できないだろ」
「えー!?お前マジで勉強する気なのぉ!?」
じゃあ、なんのために学校に通ってるんだよ
呆れた視線を送ると、さも当たり前のように
「女口説かないでなんで学校きてるのぉ!!」
「…もぉいい」
「えっ!?ちょっ!!あー!わかったわかった、情報やるから。まぁ聞けって」
慌てた竹内は俺を逃がさないように肩を組んできて小声でしゃべり始めた。
「隣の組の香川雅(かがわみやび)って女がいるんだけど…」
女かよ…ん?みやび?どっかで聞いたような…
「お前も知ってんだろ?頭脳明晰、スポーツ万能、スタイル抜群のクールビューティー!!ただ性格がいただけない、この前も三年の男子をまとめて二人ひとひねりだったらしいぜ」
入学当初からその外見と性格から噂の絶えない女子生徒だった。
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