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「そんな女に関わる気ないし」
さして興味もないのだ。
「南、お前…まず男としてどうなんだ?」
「タケ、お前こそ…まず人としてどうなんだ?ノートくらい真面目にとっても罰あたんねーよ」
絶句している竹内を置いて俺は図書室へ向かった。
今日は昼と放課後、図書委員の俺が受け付けを担当する番だった。
さすがに5分、10分の休み時間に図書室にくる生徒はいなかった
「先生?一年の橘(たちばな)です」
「あ!橘君!今日当番だよね?」
受け付けの奥から慌ただしく司書さん(みんな先生って呼ぶけど)がでてきた。
「この本とこの本の返却が遅れてるから借りてる生徒に声かけてね!!連絡はこれだけ、今日よろしくね!」
「わかりました、じゃあ後で」
教室に続く廊下を歩いていると開けっ放しの窓から桜の花びらが舞い降りてきた…
甘い香りと一緒に甦るのはあの女の子…
確かなことはここの生徒だと言う事だけ
同じ一年かな
もう一度、会いたい
胸の奥が少し切なく締め付けられた…
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