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吹き荒れる風。
舞い上がる砂。
空は雲がかかり、暗く、空気は淀んでいる。
荒れ果てた景色。
その中で睨み合う、黒い髪の男と長い金髪の男。
どちらも剣の柄を握り、目を逸らすこともない。
一体どれほど睨み合っているだろう。
どちらも身動き一つしない。
お互いに分かっていた。
次が、最後の攻撃だと。
だから自分からは動かず、相手の出方を見ているようだ。
しかし長い睨み合いに、ついに終止符が打たれた。
黒い髪の男は、柄を握っていた手を離し、スッと肩の高さまで手を挙げる。
掌を金髪の男に向けたのだ。
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