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さなぎの人
あなたは
無邪気でいられるほどには、もう子供ではなく
見せかけの自信を纏えるほど、大人でもない。
あなたはさなぎ。
変化に怯えながら、
一方で切にそれを求め
目まぐるしく変わる自分自身への、絶望と驚喜の狭間で、
震えている。
為す術もなく。
不必要にはしゃいでみせる仮面のその下で、
心は、
悲鳴をあげている。
声も無く。
でも、信じてほしい。
殻を破って蝶になる時、
あなたは容易く飛べるだろう。
嘘のように、自由だろう。
けれどもそこは、
もう、眩しくはない。
あなたが今いる
その世界ほどには。
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