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『魔王様!?こんな最下層の低級な輩にご返事なさる必要はありませ『だが…さしてお前達も逃げ惑う人間共と変わりはない…クククッ…』
魔王はそう言い終わると指を2匹のうちの一匹の魔物に向かい軽く弾くとその一匹の魔物の頭が吹き飛んだ
『『『∑ヒッ!!』』』
ズタズタに引き裂かれた男に縋り、泣いていた女と青年…そしてもう1匹の魔物が同時に悲鳴をあげた
『お前にチャンスをやろう…あそこにいる人間2人を殺せ。そうすれば見逃してやる』
魔王は薄笑いを浮かべながら女と青年を指差す
『そ、そんな簡単な事なら』
魔物は安堵したように女と青年に向かい腕を振り上げる
『お父さん、お母さん、お兄ちゃん!?』
そこには、ボロボロになり息を切らしている少女が母と兄らしき青年に駆け寄ってきていた
『∑!!アッシュ!!どうしてここに!!』
『∑!?何してるの!早く逃げなさ『ヒャハハッ!アバヨ馬鹿な人間!!』
【バシュッ…グシャッ】
鈍い嫌な音と共に娘に手を伸ばし守ろうとしていた女と、母を庇うように手を伸ばす青年の首が少女の見ている前で無惨にも切り落とされ、少女の父と思われる男の上に崩れるように落ちた…
『お母…さん?お兄…ちゃん?…お父…さん…?………』
少女はあまりに突然の事で家族の死を理解できずにいた。
そして…家族を殺した魔物が魔王に話しかけ、頭を吹き飛ばされた音を少女は、村人が皆、殺され逃げ出し、今は村が燃え盛る音しか聞こえない中で聞き、思わず魔王を見て目が合ったような気がした…そして魔王は側近の制止も聞かず少女に歩み寄る…
『…俺が…憎いか…?…家族を殺すよう命じた俺が憎いか…?』
魔王は、家族の亡骸を小さな体で抱き締める少女の頬に優しく手を添える。
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