夢…

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何?この人は何を言ってるの?顔もよく見えないし…この人は誰…?…それに…お父さんやお母さんが死んだ…? 『…死んでなんか…いないよ…?だって暖かいもの…』 『いや…死んでるよ…自分の腕の中にいるお母さんをよく見てごらん…本当はもうわかっているのだろう…?…お前は賢い子なのだから…家族の死を…』 魔王は、そう言うと少女の腕の中にいる首のない母を指差す 『…死んでなんかいないよね…お母さ…ヒッ!?』 少女は、あたかも母の首が無いことに気付いていなかったかのように驚き、何らかの魔法で、無意識のうちに母を突き飛ばし、燃やしていた…顔の見えない魔王を震えながら見上げる 『…ほら…死んでた…クスクス…』 魔王は少女が詠唱もせず、魔法を使った事に少し驚いたがすぐに笑い、泣きながら震えている少女の左目に、自分の指を噛み血の出た指を添え何かを唱え始める 何…?…聞いた事のある呪文…これお兄ちゃんに聞いた事がある…確か… 『…そう…不死の呪文…高位の魔族及び、魔物しか使えない魔法だ…お前に不死をくれてやる…』 『∑!?イヤッ!不死になんかになりたくない!!離して!殺してよ!お母さん達の所に行かせてぇ!!!』少女は泣きながら暴れようとしたが体が動かない…魔王は呪文の詠唱を続けている 『…これでお前は19歳を超えれば、老いることもなければ、死ぬこともない…だが…俺をお前の手で殺せればお前は死ねる…いつか俺を殺しに来い…何百年でも待っててやる…クククッ…さぁ…俺と長い長いゲームをしよう…』
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