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『痛ッて!お前もっと優しく置けよ!』
剣であったはずの物は、いつの間にかドラゴンへと姿を変え頭を押さえてアッシュに怒鳴っている。
それをあしらうかのように、はいはいと手を振り着替え始める…。
そもそも、あの幼かった日の悪夢のような現実から100年以上の月日が流れた…そして魔王の言った通り、私…アッシュ=フィールは、19歳を境に年をとらなくなった…
だけど…変わった所もある…
茶色かった髪は銀色に、青かった眼は、高位魔族と同様の真紅へ。
それに陽に焼けて真っ黒だった肌は雪のように白くなった…
もう、村の人達が私を見ても誰も私だと気付いてはくれないだろう…でも、どうせ皆もう死んでる…あの一件で殺されたり、生き延びていても…100年以上も経ったんだ…皆、寿命とかで死んでるはずだ…
年をとって…死んでゆける人達を羨ましく思うよ…不死になりたいって願う人は山ほどいるだろうけど…不死なんてくだらない…こんなに生きてて虚しくて悲しいと思う事なんて、きっと他にない…そろそろこの街でも…化け物扱いを受け始『…ッシュ…おいアッシュってば!!!…なぁに呆けてんだよ!着替え終わったんなら早く下行こうぜ♪俺腹減った♪』
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