序章

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「零(レイ)ちゃんは本当に素直でいい子ね」 「零ちゃんみたいな子供が欲しいわ」 「零はなんでも言う事聞いて、いい子だ」 みんな口を揃えて言った。 でもあたしには、そんな言葉は宙を舞うように通り過ぎて感じる。 だって、人間なんて、心の中では何考えてるかなんて、本人にしかわからないでしょ? それがあたしには恐怖だった。 言葉は信用できない。 何かトラウマがあるとか、そういうのではないけど、あたしはそんな荒んだ心を持って産まれてきたのだ。
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