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それは、真夏日だった。
昼間の気温がピークに達し、
クーラーもない田舎の人々はお手上げといった状況だった…。
ただ、今日が休日だったことが不幸中の幸いだと、だれもが思った。
田舎といえど、割と近郊に近い、開拓真っ最中といった町だ。
だから、"尚更"なのである。
馬鹿丁寧に舗装されたアスファルトからは、朝に水を撒いたにも関わらずその労力を貪るかのように水蒸気の煙が立ち上り、彼らの身体を加熱し、焦がし、血液を沸騰させる勢いで体力を奪う。
町全体が蒸し風呂だ。
「暑い…死ぬ……」
「俺もだ…このまま干からびちまうだっぺよ」
"ちーん"……"ちーん"
「誰だ!こんなときに下ネタ吐いとるやつは!?」
「旦那、風鈴ですだわよ」
"ちーん"……"ちーん"
「ふーりん?」
「そうどす。ふーりん風鈴ふうりん風林火山!!!」
「貴様ぁ!暑いときに火山とか言うなぁぁ!!!しかもめがっさつまんねぇし!」
"ちーん"…"ちーん"
「あいやぁ~、すまねぇでがんす」
「何故いちいち方便変えるし…」
"ちーん"…"ちーん"
"ちーん"…"ちーん"
「しっかしまぁよく鳴るねぇ…」
"ちーん"…"ちーん"
「こ。」
「黙れ」
「はい……」
"ちーん""ちーん"
"ちーん""ちーん"
"ちーんちーん"
「おい!なんかおかしくねぇか!?」
"ちんちーん"
「いいえ、ちっとも」
"ちーんちん"
「いや、明らかテンポ上がっただろ」
"ちんちちーんちん"
「!!!!?」
「ティンポアップ♪」
「黙れ」
「はい…」
"ちーんちちーんちんちんちーん...
(以下自主規制)
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