さようならの歌

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ある日だった 真人の病を治せる薬ができた 俺は、信じられない気持ちでその薬を真人に飲ませるために病室に向かう 「真…っ」 真人の病室の前で固まってしまった 「…なんでっ」 「飽きた…克巳に」 「…どうして」 「…くどい、消えてよ…あぁ、薬自分で飲むから置いといて」 頭が真っ白になるながらなんとか真人に言われるがままに薬をおいて離れた 真人が…院長と出来てるなんて…そんな…馬鹿な 俺は…俺は、長い間…なんのために頑張っていたんだろう… あぁ…いっそ…真人を殺して、自分も死のうか… 「……院長、これで、克巳をクビなんかにしないでくたさいよ…約束なんですから…」 「くくっ、分かってるよ。可愛いねぇ、大切な恋人を守るために裏切るなんて…ね」 「…真人は、いい子だよ。これで彼は君に救われた」 「…貴方なんて…最低」 真人は院長の言葉に体を震わせながら最愛の恋人に心の中で幸せを願った そして、静かに涙を流した 恋人を守るために裏切ってしまったのだから…
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