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湿った空気。
カビの匂い。
わずかに太陽の光が射し込んでいるだけの暗いこの部屋で、少年は目を覚ました。
「ん…っどこだここ…?
気味がわりぃ」
そう言って辺りを見渡そうと身体を起こした瞬間、少年の背中に激痛がはしった。
「…って…そうだった…」
少年は、先刻あった悲劇を思い出し、やっと自分のおかれている状況を把握した。
(そうか…ここは牢獄なんだ…罪を犯した者が閉じ込められる…)
いかにもと言わんばかりの、不気味な牢獄。
(脱出する方法はないのか…)
少年はありとあらゆる考えを頭の中にはりめぐらせた。
「あの窓…」
手を伸ばしても到底届きそうにないところにある小さな窓に、少年は決意の目を向けた。
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