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醍醐は自分の私室に銀次を招き入れた。
「一体どうしたんですか?」
「刀が折られた」
「え!?もしかして、奴と戦ったんですか?」
「いや。別のヤツに折られた」
「一体誰に・・・?」
「秘密だ。それより、刀が欲しい」
「わかりました。しばし、お待ちください」
そう言って、醍醐は物置の奥から一振りの刀を取り出した。
吸い込まれそうな漆黒の鞘におさめられた刀である。
「これは?」
「コイツは名刀『刹那』です」
「観賞用の刀はいらない」
「抜いてみてください」
差し出した醍醐の真剣な表情に銀次は黙ったまま刀を抜いた。
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