6724人が本棚に入れています
本棚に追加
水が迫る音を聞きながら、ジークは大剣を構えていた。
その呼吸は、疲労を感じさせるものだった。
彼と向かい合っている、全身を漆黒の鉄でコーティングしているグランツも明らかに疲労していた。
「やはり互角か・・・・・」
「あんたと同レベルか・・・・・悔しいな」
ジークの挑発じみた発言に、グランツの眉がピクリと動いた。
「それはどういう意味だ!!」
「オレはあんたを越えていたと思ってたんだが・・・・・」
ジークの言葉にグランツはますますヒートアップしていく。
そんな状態でジークに挑もうとグランツは姿勢を低くした。
体中の力を足に集める。
地を思い切って蹴ることで、生み出されるスピードが、グランツ最大の武器だった。
そのスピードで全身を鉄と変えた体でタックルをかませば、相手は一発でやられてしまうだろう。
いざ、地を蹴り、ジークに向かおうとした時だった。
不意にグランツの肩をムゲンが掴んだ。
「何じゃ?邪魔するな!!」
「ムゲン、てめぇは引っ込んでろ!!」
2人からの言葉にムゲンは遂に口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!