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「メシアが心配だ。さっさと終わらせるぞ」
ムゲンが喋った。
ジークは、久しぶりに聞いたムゲンの声に危機感を覚えた。
ムゲンは無口だ。
無口というより、喋らない。
だが、彼が声を発した時は、いつま惨劇が起こっていた。
「・・・・・マズいな」
「ジーク、悪いがここからはオレが相手だ。掛かって来い」
グランツを押しのけ、ムゲンがジークと対峙した。
手には何も持っていない。
だが、ムゲンからは壮絶な威圧感が放たれており、なかなか踏み出すことが出来ない。
「来ないのか?なら、こちらから行くが・・・・・」
ムゲンがこちらに歩み寄ってくる。
間違いなく、マズイパターンだった。
ムゲンの能力は、ジークにとって鬼門だった。
ムゲンの目が紅く染め上げられる。
鮮血の様に紅い目に、ジークは無意識のうちに、一歩後ろに下がっていた。
「逃げる気か?」
「いや、別に・・・・・」
ムゲンの圧に完全に呑まれていた。
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