新たなる世界

3/9
前へ
/974ページ
次へ
「メシアが心配だ。さっさと終わらせるぞ」 ムゲンが喋った。 ジークは、久しぶりに聞いたムゲンの声に危機感を覚えた。 ムゲンは無口だ。 無口というより、喋らない。 だが、彼が声を発した時は、いつま惨劇が起こっていた。 「・・・・・マズいな」 「ジーク、悪いがここからはオレが相手だ。掛かって来い」 グランツを押しのけ、ムゲンがジークと対峙した。 手には何も持っていない。 だが、ムゲンからは壮絶な威圧感が放たれており、なかなか踏み出すことが出来ない。 「来ないのか?なら、こちらから行くが・・・・・」 ムゲンがこちらに歩み寄ってくる。 間違いなく、マズイパターンだった。 ムゲンの能力は、ジークにとって鬼門だった。 ムゲンの目が紅く染め上げられる。 鮮血の様に紅い目に、ジークは無意識のうちに、一歩後ろに下がっていた。 「逃げる気か?」 「いや、別に・・・・・」 ムゲンの圧に完全に呑まれていた。
/974ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6724人が本棚に入れています
本棚に追加