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「お前の能力である“魔断”は、何でも斬れるそうだな?」
「だから、どうした?」
「ふっ、ずっと試したかった。オレの能力も魔断で斬る事ができるのかを・・・・・」
一歩一歩近づく強敵に、ジークは逃げたくて仕方がなかった。
その時、不意にカインの事を思い出した。
カインは、ジークの下で修行をしていた時、自分に果敢に挑んできた。
カインの勇気を自分も見習わなければ、いけないと思い出した。
そう思った瞬間、口元が緩んだ。
ジークは笑っていた。
すっかり忘れてた。
自分が死んでも自分の志を継ぐものがいると・・・・・。
「ムゲン、行くぞ。死んでも文句を言うなよ!!」
「それは、お前もだ」
「そうだな」
ジークの紅い目は輝きを増していた。
「『魔断!!』」
全てを断ち切る斬撃を放つ事ができる。
それがジークの魔眼の能力だ。
だが、それは剣があって成すことができる。
剣が無ければ・・・・・。
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