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メシアは、玉座に座っていた。
特に何をするでもなく、ただ座っていた。
正確には、待っていた。
「・・・・・来ないな」
標的を討ち取ったら、玉座に集合する。
騎士団の約束事だった。
「・・・・・」
メシアは、自分の中で高鳴る思いを押さえ込むのに必死だった。
ようやく魔眼使いの世界が始まる。
心待ちにしていた。
長い間、願っていた時だった。
「来たね」
外に気配を感じた。
ゆっくりと、こちらに向かってくる。
メシアが厳選した魔眼使い達が集い、動きだす。
新たな世界が・・・・・。
「みんな、そろったかな?」
玉座に腰掛けながら、メシアは辺りを見渡した。
ジークの姿がない。
しかし、メシアは・・・・・。
「全員、揃ったね」
ジークの存在をなかった事にした。
それを聞いていたレイヴィンが口を開いた。
「ジークが来てないわよ」
それを聞いてメシアは俯いた。
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