新たなる世界

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「ジークは死んだよ・・・・・。油断したところを襲われてね」 そう言いながらメシアは、目に涙を浮かべていた。 微かに目を動かし、ムゲンを見た。 全身に浴びた返り血は、キレイに拭き取られていた。 だが、拭き取っただけでは、痕跡は消えない。 「・・・・・ムゲンから血の匂いがするわ」 「それが?レイヴィンからも、血の匂いはするよ?」 レイヴィンは、ジークが神軍に殺されたという、事実が信じられなかった。 ムゲンから、血の匂いがするのは、彼が戦ったときだけだ。 その血の匂いは、強烈なまでに強い。 だが、それはムゲンがジークを倒したという事にはならない。 「・・・・・でも」 「受け入れなよ、仲間の死を。そして、新たな世界を動かす1人として、しっかりと働いてもらうよ」 メシアは、玉座で足をバタつかせながらレイヴィンに話をしていた。 レイヴィンは、証拠がない為に、引き下がるしかなかった。
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