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「正人、一緒に帰るなら
ちょっと待っててくれる?」
同じクラスで1番仲の良い片山勇治が、いつものように話し掛けてきた。
長身でスポーツ万能、頭が良さそうな眼鏡を掛けている、いわゆるモテ系の奴だ。
片山とは親友というほどでは無いのだが、中学・高校が一緒だったせいか、よく話す。
友達以上、親友未満といった感じだ。
「いや、今日は先帰るよ。
かったるいから。」
正人はかばんを右肩に担ぐと、後ろにいる片山に左手で手を振り、教室をあとにした。
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