存在感

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僕がそう言い終わった時、健はとても不思議そうに僕を見ていた。 「翔は変わったね。前まではこんなこと言う人じゃなかったもん。そうなれば僕も変わらなくちゃいけないね」 健は笑いながらそう言った。 確かに僕は今まであんなことを言う人間ではなかった。 ただ、僕は類と友達になった体験談を言ったようなものだった。 僕は類に話し掛けなかったら、今の健と同じだったのかもしれない。 「じゃあ僕はもう行くから。じゃあな」 僕はそう言い、教室を出た。 四組の教室に戻ると、類がいた。 「おはよう」 類は僕にそう言う。 僕もおはよう、と返す。 それから普通の会話に入っていった。 類とはこれからも友達でいたい。 そう僕は心から思った。
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