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「ありがとう、落合さん」
僕は振り向き、そう言った。
落合百合は少し笑みを浮かべ、駐輪場の方へ向かって行った。
教室から教科書等を持ち出し、駐輪場に持って行った。
やはり、僕は自転車を忘れていたようで、僕の自転車だけがそこに残っていた。
自転車をこぎ、家に着いたら、もう七時だった。
台所に行くと、晩御飯が並べられていた。
今日も親がいないようで、姉と弟が先にご飯を食べていた。
相変わらず無言での食事だった。
この無言の食卓にはみんなが慣れてしまったため、父が以前、無理矢理に会話を持ち出した事があった。
だが、姉が、ウザいと言い、父と姉が大喧嘩をした結果、父の謝罪がなければ姉が家を出ていく寸前までの状態になった。
それ以来、食事は無言の時間になってしまった。
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