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部屋に戻ると、一気に疲労感が押し寄せてきた。
玄関にへたり込む。
奥の寝室には、今朝脱ぎ捨てたパジャマが見えた。
いつもの、シロの部屋。
こうしていると、さっきまでのコトが、まるで嘘のよう‥。
いつまでもこうしてる訳にはいかない。
立ち上がり、コートを脱ぐ。
「あ‥」
ブラウスの袖口から、赤い痕がちらりとのぞく。
どくんと、一度だけ、心臓が騒いだ。
夢でも嘘でもない。
佐倉さんの痕。
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