佐倉航平(10days after)

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部屋に戻ると、一気に疲労感が押し寄せてきた。 玄関にへたり込む。 奥の寝室には、今朝脱ぎ捨てたパジャマが見えた。 いつもの、シロの部屋。 こうしていると、さっきまでのコトが、まるで嘘のよう‥。 いつまでもこうしてる訳にはいかない。 立ち上がり、コートを脱ぐ。 「あ‥」 ブラウスの袖口から、赤い痕がちらりとのぞく。 どくんと、一度だけ、心臓が騒いだ。 夢でも嘘でもない。 佐倉さんの痕。
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