佐倉航平(10days after)

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答えに詰まり、黙って俯いてしまった。 シロ自身が、一番キライなタイプの女のとる態度だ。 さらに自己嫌悪で沈みこむ‥。 しばらくのち、沈黙を破ったのは、伊藤サンだった。 「らしくないな!いつもの伊豆くんはどうした?」 「え‥?」 バシバシと背中を叩かれる。 「いつもなら、くってかかって反論するだろうに。」 「伊藤サン‥。」 そして、ぐっと顔を近づけ、小声で言った。 「今日は朝からえらくフェロモンが出てる。気をつけろよ。」 袖口もな。と、つけ加えて、ひらひらと手を振りながら、事務所に戻ってしまった。
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