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「くだらねえ」
心底どうでもよさそうに言った竜に健太は苦笑いを浮かべると、でもさ、と話を続けた。
「実際見たヤツがいるんだし。てか、ずっと伝えられてる話なわけだしさ、なんか、こう、気味悪いなーとかねえの?」
「ねえな。つうか、見たっつってるヤツが本当かどうかわかんねえだろ」
「そりゃそうだけど……」
「大体、七不思議なんつーのは、しょうもねえ考えを持ったヤツがしょうもねえ理由で作ったウソに決まってんだよ」
竜はそう言い切ると、また一口ミネラルウォーターを飲み、視線を前に座っている健太から窓の外に向けた。窓の外は、青々とした空が広がっている。
健太は、竜の言い分にまた苦笑いを浮かべた。竜の言っていることが真実かどうか確かめようは無いが、まさか最初に言い出した人間も未来において存在もその言動も「しょうもない」と言われているとは夢にも思わないであろう。
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