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待ち合わせ場所に
向かって歩いていくと、
すでに私を待っている
彼の姿が見えた。
私は駆け足で彼に向かった。
『おまたせ!待った?』
私が聞くと、
「いいえ今来た所です。
ミミさんにしては
早かったですね。」
と笑って返してくれた。
『わっ私だって
やるときはやるんだから!』
「はいはい。そうですね。」
『なによー!
今バカにしたでしょ!?』
…といつもの会話が始まる。
そんな中、
私は視線に気付いた。
ふと周りを見ると、
どの女の子もこちらを
チラチラと見ている。
それに加えて
近くにいる2人組の会話が
聞こえてきた。
「ちょっとちょっと!
あそこの男の子
カッコ良くない!?」
「あっホントだ~!
背高いし優しそうだよね!」
…男の子って、
今この辺にいるの
光子郎君しかいないじゃない。
なによ!
光子郎君は私の彼氏よ!
なんか…ムカつく。
とっさに私は光子郎君の
腕をつかみ、周りに威嚇した。
「ミっミミさん…?
どうしたんですか?」
当然光子郎君は驚いている。
それに構わず
女の子たちを睨んだ。
「なっなにあの子!
ムカつくな!」
「多分彼女でしょー
ほらっもう行こう。」
と2人組は去っていった。
フンッ!
ミミちゃんに勝とうなんて
10年早いのよ!
と達成感に満たされていると
「あの…ミミさん?」
いまだ状況が読めない彼が
当惑しながら聞いてきた。
『なっ何でもないわよ!』
慌てて私は手を離した。
「はあ…ならいいんですけど」
と彼はあまり
気に止めてない様子だ。
私はというと
彼の顔をじっと見ながら
やっぱりカッコいいんだよね…
てか周りの視線くらい気づけよ
この鈍感男!
などと考えていた。
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