84人が本棚に入れています
本棚に追加
『ちょっとボーっと
しちゃっただけよ!』
「そうですか?
僕の顔を見て
固まっちゃったから
どうしたかと思いましたよ。」
『大丈夫だってば!
ほらっ早く行こう!』
と私は彼を引っ張った。
「わわっ待って下さいよ…
ていうか、今日のミミさん
可愛いですね。」
『!!!∑』
不意打ちを食らった私は
言葉をなくした。
「さっきから
言いたかったんですけど、
ミミさん変なので、
言うタイミング
つかめませんでしたよ。」
と彼は苦笑した。
…ヤバイ、反則よ。
今可愛いって…
可愛いって言ってくれた。
憎まれ口を言われているにも
関わらず私は嬉しくて
しょうがなかった。
いつからこんな台詞
サラっと言えるように
なったのよ!!!!
もうっ調子狂うわ!
『変ってなによ!
ミミちゃんが可愛いのなんて
当然なんだからね!』
なんて思ってもないことを
口に出してしまう。
「そうですね、
ミミさんはいつも可愛いです。
さあ、行きましょう?」
と彼は手を差し出した。
『なっ…!』
二度目の不意打ち攻撃に
私の顔の温度は上昇する。
「ほら、早くしないと
日が暮れちゃいますよ?」
『わっ分かったってば!』
今だ赤い顔を隠しながら
彼の手を取り、
私たちは遊園地に入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!