先生とあたし。

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第1話:美術室 あたしは、この春高校に入学した。中学で一緒にいた子は違う高校に行って、あたしはこの高校に来た。この高校には中学の時の友達もいる。現にあたしは中学時代の時の友達と行動を共にしている。その子は璃恋と言う名前でなかなか気のあう子だった。高校でも、一ヵ月が経ちあたしもそろそろ慣れてきた頃の時だった。その日ははじめての美術の授業があった。その日があたしと先生がはじめて出会った日だった。あたしはたまたま教室に忘れ物をして、授業に遅れたんだ。美術室に着いたらみんなシーンってしてて、先生そんなに恐いのかなって思って教室に入ったら先生、 『うぇるかむ~っ』 って馬鹿みたいに明るい声で言うの。第一印象は、太陽みたいな笑顔で笑う人だった。みんなも大爆笑してて、あたしは恥ずかしかった。先に行ってた璃恋も笑ってた。その時のあたしは、あたしに恥をかかした先生なんてキライって思ってた。その日の授業は自分の好きな絵を描く内容だった。あたしは絵はわりと得意な方で、花の絵を描いていた。その絵を見て先生は 『遅刻ちゃんは絵がうまいな~。将来いいお嫁さんになりそうだ。』 って言ったの。あたしは意味が分からなくて(たぶん意味は無かったと思うけど。)愛想笑いした。そしたら先生はあたしの絵についてどこを直したらいいか話しだした。絵について話す先生はとても真剣な顔をしてて、あたしは一瞬どきっとした。馬鹿みたいな事言うくせに、絵に関してはえらく真剣なのね、って。けど、先生の言った通りにしたら、残念ながら今まで描いて来た中で最高作ができちゃった。先生、才能はあるんだよね。その日の授業はそれでおわった。
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