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あの日からあたしと先生はよく喋るようになった。絵の話だけじゃなくて、日常の話とか友達の話とか。もちろん璃恋も一緒に喋っていた。けど、あたしは最近、先生と2人で喋りたいと思うようになった。この感情が恋だと気付くのにそう時間はかからなかった。でも、気付いたから何がどうなるわけでもなかった。あたしの先生に対する態度はいつもどおり、璃恋とあたしと先生でどうでもいいような話ばかりしていた。そんなある日、璃恋から大事な話があるから聞いてくれない?と言われ、放課後2人で教室に残った。璃恋からの話はこうだった。
『璃恋ね…碧先生が好き…なんだ。』
なんとなく予想はしていた。最近の璃恋の先生に対する態度が少し積極的だったのはなんとなく気付いていた。だけど、実際に本人から聞いたらやっぱり胸が痛む。ねぇ璃恋、あたしも先生が好きなの。璃恋は続ける。
『それでね、湊。璃恋のお手伝いしてほしいの。碧先生にいろいろ璃恋のいい所とか、璃恋の事どう思ってるのかとか、聞いてほしいの。』
嫌だよ。あたしも先生が好きなんだよ?璃恋は知らないかもしれないけど、そんなの嫌なの。ごめんね、璃恋。
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