第一章 ~商業都市シーナル~

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カイナル暦1708年 ザワザワ…… ザワザワ…… カイナル帝国で三本の指に入る都市シーナルの市場は朝の賑わいに包まれていた その中をアベルは歩いていた 浄化の力と引き替えに自らの‘時’をなくした青年アベル 時をなくすという事がどういう事か理解出来たのはそれから五年後だった 自分があれ以来全く成長しなくなった 容姿は十七~八歳の青年……しかし彼はすでに三百年以上生きている 時をなくすということは成長しなくなり老いる事もない‘不老不死’だった
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