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リビングに戻ると小学生の子供達は制服に着替え朝食を食べている。
「英和と明徳は起きたんじゃな~パパは、まだ寝とん?」
「うん、まだ寝とるよ~」
「はぁ~早く起きてって言っとんのに~」
英和の返事を聞いて、私はうな垂れた。裕也は子供達より朝が弱く、起きれない人なんよ。
「パパ~起きんと遅刻するよ~!!」
「ん~じゃあ恭子がキスしてくれたら起きる・・・」
「………朝から、この口は何か言ってんのかなぁ~裕也?」
「なんで、そんなに睨むんだよ~キスぐらいしてくれてもいいじゃんかよ~」
駄々をこねる裕也が少し可愛く思えてきてキスをしようとした瞬間、子供達の視線を背中中で感じた。
「でも、ほら子供達が見てるし・・・」
子供達に聞こえないように小声で裕也に、今の状況を伝えた。
「マジかよ~!!せっかく、良い雰囲気だったのによっ・・・あ~おもしろくね~」
「何ブツブツよんでぇ~?はよう起きられーホンマに遅刻しても知らんけぇよぉ」
「うわっ、もうこんな時間かよ!!」
「じゃから、ずっと言っとるがぁ!」
一人の女になっていた顔を母の顔へ戻し、私も仕事に行く準備をして子供達と裕也を送り出した。私は、裕也の前で油断していると、すぐ一人の女になってしまうことがあるんよなぁ・・・
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