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「る…春…大丈夫?」 「ん…ここ…」 私は、心配そうな桜並木の声に、意識を引き戻された。 辺りは、まだ目が霞んでいるのかぼんやりとしていて、はっきりと分かるのは 桜並木がいるということだけ。 「軽い貧血。 朝ごはん、食べてきた?」 その言葉に、私は無言でかぶりを振る。 この頃、朝ごはんは食べてきていない。 その声に、桜並木の眉根が微かにしかめられるのが分かる。 「寝て」 しかし次の瞬間、毛布だろうか、何か暖かいものをかけられた。 しかし、もうそこまで酷くはない。 先程まで霞んでいた視界は、段々とはっきりした形をとってきていた。 「もう、大丈夫」 私は桜並木の制止も止めて、ゆっくりと起き上がる。
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