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そこで。 初めて周りの様子を見た私は、目を大きく見開く。 ――――桜色だった。 一面桜色の空間。 吸い込まれるような、透き通った桜色。 「知っ…て、る」 私は、小さく呟いた。 知っている…私、この色を。 「桜並木と…一緒…瞳の、色…?」 私は無意識に自分の口から出た言葉で、ようやくそれに気付く。 吸い込まれるような透き通った桜色は、確かに桜並木の瞳の色と同じ色を宿していた。 「俺の、瞳?」 しかし、桜並木はそれに気付いていなかったのか…驚いたように声を返してくる。 私はそれに、小さく頷いた。 「うん…一緒。 どうして、桜色なの…?」 ふと疑問に感じで、私は桜色の空間をきょろきょろと見渡す。 限りの見えない桜色が、私の目の前に続いていた。
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