成田へ行くまでだって大変だ

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真性プロレタリアートにとって労働こそが本分だ。   そんなわけで海外旅行に出掛ける直前までわたしは働いた。   仕事が終わると社長の車で駅まで送ってもらった。新幹線に乗り込み、一路成田を目指す。 トンネルの合間の夕暮れの空に月齢十日の月が白く浮かんでいた。トンネルをひとつ過ぎるごとにだんだん成田が近くなる。 楽しい香港、ユカイな香港。 待ってろ、わたしの夢の都。  
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