第1話『入学式』

2/7
前へ
/37ページ
次へ
入学式。 そう、奴と初めて出会った記念すべき日。 俺は期待と不安を心に秘め、クラス表に記された自分のクラスに居た。 が、俺の席には俺の座るスペースが空いてない。 つまり、誰かが座ってた。 「そこ、俺の席じゃん?」 何故入学初日からこんなハプニングに見舞われなくてはいけないのかと心の中で毒つき、勇気を出して声をかけた。 『何?ここお前の席?あれ、っかしぃなぁ』 顔を上げた奴は、とても整った顔立ちをしていた。 うらやましい程。 とゆーか寧ろ、妬ましい程。 「座席表には俺の席って」 『そう。じゃ、俺の席は?』 奴は偉そうに立ち上がった。 本当に偉そうに。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加