0人が本棚に入れています
本棚に追加
『なに人のツレ殴ってんだ。』
男は首根っこを掴まれ足をジタバタさせて抗議をした。
しかし掴んで男(雪)はそれを無視し、更に上へと持ち上げた。
男は蛙のつぶれたような声をあげた。それを聞いた少女は慌てて止めた。
「雪止めて。私はもう大丈夫だから!」『…エリがそう言うなら。』
そうして男は久しぶりに地面に足を着いた。
〈おいエリ!この男お前のなんだよ!俺は話し聞いてないぞ!〉
「雪は幼なじみよ。それに健司みたいに浮気してるわけじゃないわ。」
『なにコイツエリの彼氏?』
「もう彼氏じゃないから。なんか私セフレだったみたいだし。もうさっき別れたし。」
『ふーん。じゃあ映画見に行くか。』
雪とエリが歩いて去ろうとするとまた健司が喚きだした。
〈俺を無視するんじゃねぇ!エリ、俺は別れるなんて言ってねぇぞ。俺と別れたらどうなるか分かってんだろうな!〉
雪に勝てないと分かると男はエリの腕を掴み引っ張った。
「痛い!触らないで!」
〈いいからこい!〉男の強引な行動に溜め息をつくと雪は男を足払いしエリを助け出した。そして倒れている男の目の前で連れの女に話しかけた。
最初のコメントを投稿しよう!