108人が本棚に入れています
本棚に追加
アリスが暴れ疲れて大人しくなると、頭の上から女の人の声が聞こえてきた。
「もうよい。この娘の顔を上げさせよ」
手を後ろに捻られたまま体を起こされたアリスは、声の持ち主の顔を見た。
声の持ち主はウェーブのかかった長い金髪で、フリルの沢山ついたドレスを身に纏った二十代前半くらいの美人な女性だった。
アリスがしばらく惚けていると、女性が鎧の男に言った。
「赤のナイト、そのまま小娘を押さえておけ」
「畏まりました、ハートのクイーン」
最初のコメントを投稿しよう!