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「白兎って…。私をからかってるの?それは不思議の国のアリスに出てくるキャラクターの名前じゃない!」
少年はキョトンとしながら言った。
「そうだよ?ボクは不思議の国のアリスに出てくる白兎だ。」
「アリスの中の白兎は二本足で歩くれっきとした兎なのに、あなたは人間なのね」
アリスは皮肉のつもりで言ったが、白兎と名乗る少年は笑いながら言った。
「あはは!アリス、ボクに立派な兎の耳があるのが見えないの。」
アリスは少年をジッと観察した。
確かに少年の白髪の横髪にあたる部分は腰に届くくらい長く、見ようによっては垂れた兎耳に見えない事もない。
しかし、耳が兎耳に見えようが、どう見ても少年自身は人間に見える。
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