(1) 内乱と少年

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しかし、すぐに顔をあげた。 自分にはやるべきことがある。憎む人がいる。だから、ここで止まることはできない。 そう言い聞かせて。 街の終わりが見えた。 同時に雨が降り始める。 血を洗い流すための雨。 「…全ては憎しみのために――」 雨に濡れた髪をかきあげた。 そこにあるのは、憎しみと恨みと闇の瞳。それから、意味ありげに笑う唇。 そしてフィーネはクレスタに向けて歩みを進めた。 漆黒の翼を広げて――。
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