180人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、すぐに顔をあげた。
自分にはやるべきことがある。憎む人がいる。だから、ここで止まることはできない。
そう言い聞かせて。
街の終わりが見えた。
同時に雨が降り始める。
血を洗い流すための雨。
「…全ては憎しみのために――」
雨に濡れた髪をかきあげた。
そこにあるのは、憎しみと恨みと闇の瞳。それから、意味ありげに笑う唇。
そしてフィーネはクレスタに向けて歩みを進めた。
漆黒の翼を広げて――。
最初のコメントを投稿しよう!