Coating Lover―prologue―

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恋なんて、 寄せては返す波のようで あんなに心苦しかった気持ちはいつの間にか薄れゆく 所詮は絵空事とある人は言った けれど 溺れる程の波は来るだろう 向こう岸へ運ぶ波も 掴み所がないね 手に握れば何も残らない ただ 濡れた冷たい掌があるだけで あとは 乾いてしまうのを待つだけで ……だから自分を守るんだ だって 傷つくのは怖いしょう? 格好悪いのは嫌でしょう? 自身を傷から守る為、綺麗にみせる為に、覆い被せる事 それが、 Coating〔コーティング〕 自分が纏(まと)うものは―……      
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