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その時、チン!とレンジの音が部屋の中から響いた。
そうだ。
弁当を温めてる途中だった。
「あ、ごめんなさい!もしかして夕飯の時間でしたか?」
「ああ、うん、まぁ」
「やだ、一人でベラベラ喋ってごめんなさい!それじゃあまた、ワタラセさん!」
彼女はヒラヒラと手を振りながら、ドアを閉めた。
しばしの沈黙の後、浩太郎は思わず笑いが込み上げてきた。
……なんか不思議な子だな。
弁当を温める、わずか2分。
浩太郎は自分の気持ちまで温まるのを感じた。
ちょっと熱くなりすぎた弁当と、もらったドーナツで腹が満たされると、余計なことを考える前に、すぐ眠りに落ちた。
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