ナナシ

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生まれた時に、両親は僕を養護施設に入れた。 まだ名前も無い赤ん坊の時だった。両親は僕を産んだ時、病院で悲鳴をあげたそうだ。 見た目が化け物だったからだろう 物心がついた時、僕はみんなと姿形が違っている事に気が付いた。 先生も僕をみる目がみんなと違っていて、まるで気持ち悪い物を見ているかの様な表情だった。 ナナシ…… 僕に名前を付けてくれたのは園長先生。本当は名無しと付けたかったみたいなんだ。 小学生に入ってから、僕は同級生や先生から酷いイジメを受けた。 何度も学校を脱け出したけど、結局施設の人に見付かり引き戻された。 それ以降施設の先生は僕に虐待を始めたんだ。 その後遺症で今現在僕の足は不自由になってしまった。 中学生になった時、僕は初めて恋をした。 クラスのマドンナ的存在の子だった。 それからだった……… 僕が人と距離をとってしまうようになったのは… 人を恐れる様になったのは…… 中2の春の出来事が原因だった……
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