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僕は歌うのを止めた。
墓の前に人影が見えたからだ。
誰だ?
僕は一歩一歩近付いていく。
一人の少女がいた。
しゃがみ込んで、手を合わせている。
僕は彼女を見下ろせる位置まで来ると、立ち止まった。
僕の足音には気が付いているはずだ。
そう思っていたら、案の定彼女は気付いていたらしく、ゆっくりと立ち上がり振り返った。
真っ直ぐこっちを見つめてくる。
吸い込まれそうな瞳。
――この時、僕は彼女に一目惚れしたんだと思う。
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