ー明治32年ー  横須賀

2/3
前へ
/61ページ
次へ
その方はチョコンとお座りになっておられました。 凛として品があり、時折見せるキリリとした目は 「流石である」 と唸らずにはいられない雰囲気をお持ちでありました。 見る限りでは齢五十を過ぎていると思われますが 女性らしさは一抹も失ってはおりません むしろ磨かれた女らしさを身に纏われておられます 伝え聞いていたのとは違い、気サクなお方でスパスパとテンポ良く語られる言葉は爽やかにも感じられる位でございます。 小生がソロソロと促しましたる所 一つお茶をお飲みになり、コホンと咳をされてから 静かに語りはじめられました………。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加