大戦の幕開け……

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     その後も毎日休まず訓練を重ね、気付けば期限の前日まで迫っていた。 「なぁ玄武さんよ…護衛隊長の件アンタはもう決めたのか?」 「いや…ワシはまだじゃ中々決められぬ……」  龍騎と玄武は、城内を歩きながら護衛隊長の件に関して話をしていた。 「結構難しいですな…自分を護衛して貰う者じゃから…中途半端じゃ決められん……」 「だよなー…どうすれば良いのか……」 「ヨッ! 二人お揃いでどうした? 何か空気が重いぞ……」  龍騎と玄武が悩んでいると、飛燕が上機嫌で二人の輪に入ってきた。 「おう飛燕…やけに上機嫌だな…何か良い事でもあったのか?」  龍騎は、飛燕の上機嫌に少し苦笑い浮かべ問い掛ける。 「まぁな…毎日の訓練楽しくて…指導するのも悪くないよな……」 「ハッハッハッ! 飛燕殿はワシ等とは違って訓練を楽しんでいるようじゃな……」  龍騎の問い掛けに、飛燕は満面の笑顔で答え持っている木刀で軽く素振りをしていた。  そんな飛燕を観て、玄武は頭を軽く叩き笑い飛ばしていた。 「それより飛燕は…もう決めたのか? 護衛隊長……」 「へっ? 護衛隊長…あぁーー忘れてたーー! 期限何時までだっけ!」  どうやら、飛燕は大事な護衛隊長の事を龍騎に聞くまで忘れていたようだ。 「あぁーー! どうしよう朱雀に又怒鳴られるー」  飛燕は、今迄の上機嫌を完全に失い真っ青な顔色で頭を抱えていた。 「何だ…もう決まってると思ったら忘れてるなんて……」 「ハッハッハッ! 飛燕殿らしいって言ったら…それまでじゃの……」  飛燕の急変に、龍騎は呆れ玄武は相変わらず高笑いで眺めていた。
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