大戦の幕開け……

13/22
前へ
/486ページ
次へ
     暫らく歩き、蔵馬と飛燕は朱雀の部屋の前に到着した。 「朱雀俺だ! 飛燕だ…蔵馬も一緒だ! 入っていいか?」  飛燕は、部屋の前でいきなり大声を出し朱雀を呼び出した。 「飛燕! 声が大きいぞ…朱雀殿が寝ていたらどうするつもりだ?」  大声で朱雀を呼ぶ飛燕に、蔵馬は声の大きさを抑えるように言う。  暫らくすると、部屋から朱雀の応対の声が聞こえてきた。 「お二人共どうぞ…少しばかり散らかって居ますが……」  朱雀から応答を聞くと、蔵馬と飛燕は部屋に入った。  朱雀の部屋は、領土の地形等を調べている為に、参考書やら地図等が散らばっていた。 「うおっ! これは凄いな……」  飛燕は、部屋に入ると一面に散らばる地図や資料等を観て驚く。 「申し訳ありません…調べ物をしていた物で……」  すると、朱雀は慌てて床に散らばる地図を片付け始めた。  それを観ていた蔵馬も、朱雀の手伝いを始め隣で立っている飛燕にも声を掛ける。  蔵馬に言われ、仕方ないと言った感じの飛燕も片付けを手伝う。  そして、床に散らばる地図や資料を片付け終え、三人はそれぞれ椅子に腰掛け朱雀が用件を聞いてきた。 「それで二人共…私に話とは?」 「あぁ…今日来たのは護衛隊長の件で少し聞きたい事が……」  蔵馬が、護衛隊長の件を話し始めると、朱雀は少し悲しそうな表情を観せる。 「違うんだよ朱雀! 何か玄武の所に…蔵馬の知り合いが居るらしくて…護衛隊長にしたいんだと……」  朱雀の表情を観て、飛燕が横から説明を始める。 「将軍…それは本当ですか?」 「あぁ…此処に来る途中で知り合った者なんだが…腕は確かだ……  だから…私は彼を護衛隊長にと……」  朱雀は、蔵馬の意見を聞くと無言で頷き何かを思いついた表情を観せる。 「そこでオマエに相談何だよ!」
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1097人が本棚に入れています
本棚に追加