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暫らく歩き、蔵馬と飛燕は朱雀の部屋の前に到着した。
「朱雀俺だ! 飛燕だ…蔵馬も一緒だ! 入っていいか?」
飛燕は、部屋の前でいきなり大声を出し朱雀を呼び出した。
「飛燕! 声が大きいぞ…朱雀殿が寝ていたらどうするつもりだ?」
大声で朱雀を呼ぶ飛燕に、蔵馬は声の大きさを抑えるように言う。
暫らくすると、部屋から朱雀の応対の声が聞こえてきた。
「お二人共どうぞ…少しばかり散らかって居ますが……」
朱雀から応答を聞くと、蔵馬と飛燕は部屋に入った。
朱雀の部屋は、領土の地形等を調べている為に、参考書やら地図等が散らばっていた。
「うおっ! これは凄いな……」
飛燕は、部屋に入ると一面に散らばる地図や資料等を観て驚く。
「申し訳ありません…調べ物をしていた物で……」
すると、朱雀は慌てて床に散らばる地図を片付け始めた。
それを観ていた蔵馬も、朱雀の手伝いを始め隣で立っている飛燕にも声を掛ける。
蔵馬に言われ、仕方ないと言った感じの飛燕も片付けを手伝う。
そして、床に散らばる地図や資料を片付け終え、三人はそれぞれ椅子に腰掛け朱雀が用件を聞いてきた。
「それで二人共…私に話とは?」
「あぁ…今日来たのは護衛隊長の件で少し聞きたい事が……」
蔵馬が、護衛隊長の件を話し始めると、朱雀は少し悲しそうな表情を観せる。
「違うんだよ朱雀! 何か玄武の所に…蔵馬の知り合いが居るらしくて…護衛隊長にしたいんだと……」
朱雀の表情を観て、飛燕が横から説明を始める。
「将軍…それは本当ですか?」
「あぁ…此処に来る途中で知り合った者なんだが…腕は確かだ……
だから…私は彼を護衛隊長にと……」
朱雀は、蔵馬の意見を聞くと無言で頷き何かを思いついた表情を観せる。
「そこでオマエに相談何だよ!」
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