大戦の幕開け……

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    「私に相談ですか……」  飛燕の相談に、朱雀は真剣な表情で受け答える。 「あぁ…今俺等は個人で部隊を受け持っている……  中には自分の兵士より…他の兵士が良いと思う奴も出ると俺は思うんだ!」  飛燕は、朱雀の顔をじっと見つめ自分の意見を熱く語り始める。  その飛燕の意見に、朱雀は一つも聞き漏らさず羽扇を仰ぎ聞いていた。 「そこで! もう少し期間を伸ばして…交代で訓練をする!  そして最終的には…一人二名選出して…その場で皆に披露する…うっ……」  朱雀は、飛燕の目の前に手を差し出すと話を止めた。 「飛燕殿が言いたい事は解りました……  すなわち…明日迄に決められないと言う事ですね……」 「うっ…やっぱりばれたか……」  飛燕は、朱雀に自分の考えをずばり読まれ、さすがの蔵馬も笑うしか無かった。 「ですが…飛燕殿の考え悪くありませんね……」  だが、飛燕の意見に朱雀は笑みを浮かべながら答える。 「おっ! 好感触……」 「それでは…朱雀殿期限を先伸ばしにするのか?」  朱雀の表情を観て、飛燕と蔵馬は期限の延長を問い掛ける。 「そうですね…意外な発見があるかも知れません…試して損は無いと思われます……」 「いよっしゃー!」  朱雀の部屋に、飛燕の歓喜の声が響いた。 「飛燕殿…少し静かに……」  大声を出して喜ぶ飛燕に、朱雀は注意を促す。 「では…この話しは明日の軍議で提出してみましょう…宜しいですね……」 「おう! 頼むぞ……」 「飛燕…そなたは少しは反省しないと……」  自分の意見が通り、少し態度が大きい飛燕を、蔵馬は苦笑いを浮かべながら注意する。
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