大戦の幕開け……

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    「クッ! やっぱり…一筋縄では逝かないか……」 「フゥー…やはりその武器は厄介ですね……」  龍弌と龍騎は、打ち合いを止め呼吸を整える為に一度間合いを取る。  そして、両者一息入れると緊張感が再び訪れた。 「ハァー!」  今度は、龍弌から龍騎との間合いを詰める。 「クッ! しまっ……」  龍騎は、一瞬の不意を付かれ迎撃態勢が取れずに居た。 「ハッ!」 「ヤバッ!」  カッ! カコッ! コッ!  龍弌は、鋭い突きと薙払いで龍騎を翻弄する。 「ハァッ!」  バキィン! カラン…カラカラ……  龍騎の鋭い突きが、木刀の柄部分を破壊する。 「勝負あり…ですね!」  そう言う龍弌の槍は、龍騎の胸元に突き付けられていた。 「今度は…完全に俺の負けだな……」  今回ばかりは、龍騎も素直に負けを認める。 「まさに…紙一重でしたよ…実際は無理な戦法でしょうが……」 「まぁな…実際は砕かれないように…細工をしてある……」  そして、手合せを終えた龍弌と龍騎の二人は、お互いの戦いを振り返り語り合う。 「なぁ…龍弌……」  少し疲れたのか、龍騎はの場に寝転ぶと龍弌に話し掛ける。 「何ですか? 龍騎殿……」  隣で座る龍弌は、流れる汗を拭い心地好い風に身を任せ、龍騎に答える。 「さっきの軍議の事何だが…何かあるのか?」  龍騎は、先程の軍議での龍弌の発言をずっと気にしていた。
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