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「龍騎殿! 少しは加減と言うものを…それでは兵士達が保ちませんよ……」
龍弌は、疲れ果てている志願兵の方を観ながら龍騎に対して肩をがっくりと落としていた。
「龍弌殿…そんなに落胆せずとも此処は暫らく様子を観ましょう……
龍騎殿にも…考えがあっての事かも知れませんから……」
「そうそう…流石朱雀! 解っているね……
もう少し頭を柔らかくしないとね…龍弌」
余りに、龍騎の行動に落胆する龍弌に朱雀は、さり気なく話掛ける。
それに釣られて発した龍騎の一言に、龍弌は内心呆れるしか無かった。
そして、さらに数日が過ぎると、志願兵の数も日を追う毎にかなりの人数に増え、今では2万まで兵が増えていた。
それを蔵馬と朱雀は、城内から嬉しそうに眺めていた。
「朱雀殿…これだけ兵が居れば…我等も帝国に対抗出来るでしょう……」
「えぇ…私もこれは…正直驚いてます……
此処まで志願兵が増えるとは…嬉しい誤算です……」
蔵馬は、志願兵が増える事に帝国への思いを募らせる。
だが、逆に朱雀は志願兵が増える事に表面では喜んでいたが、まだ別の悩みを抱えていた。
「どうかしましたか? 朱雀殿…顔色が少し悪く見えるが……」
遠くを見つめため息を洩らした朱雀に、蔵馬は何か気付いたのか話掛ける。
だが、朱雀は一言「大丈夫です…」と語りそれ以上は何も言わなかった。
そして、さらに数日が過ぎ八人による初の軍事会議が始まろうとしていた。
そして時間になり、朱雀が始めようと席を立つと、遅れていた飛燕が息を切らし急いで部屋に入り、両手を合わせ朱雀に謝罪していた。
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